罪なきフィルムに悲劇が襲い掛かる話
どうも、ハシクレです
この話をするのはサボり性がバレるかも知れないのであんまり大きな声で言える話では無いのだが、ハシクレは少し前、9月の末ごろにようやっと普通自動車免許を取得することができたのだ
今ワタクシは大学3回生なので取得は遅い方に入ると思う。大体は1回の夏休みとかに教習所に行って秋には取ってるという流れだろうが、ワタクシはその時点で大阪での一般的な教習料30万が無かったので先延ばしにしていたのだ
……というといい感じに遅くなった言い訳がつきそうだったのだが、実は教習所に通い出したのは3回の夏休みではない
1月末である
教習期限ギリギリ
いや、実際は教習期限自体は10月末までだったが、9月の1週目くらいで卒検前効果測定をパスしたのでそこから期限が2ヶ月ほど伸びて11月となっていた。だとしてもギリギリに変わりはない
ここで一つ(どころではない)、疑問が浮かぶ
––––なぜそんなに時間がかかったのか?––––
時間がかかった理由として最も考えられるのは、もうどうしようもなく下手くそで教習の段階から引っかかりまくりで補習の嵐。効果測定や仮免検定など、検定があるたびに何度も落ち続ける、といったことである
しかしそうではなかった
運転がうまいわけではなかったが、だからといって引っかかることはなく、検定も仮免前効果測定に一度だけ、サボりが原因であと2点で不合格になった以外は一度も落ちなかったのでその点に関しては非常にスムーズにいったと言える。だとしたら何が原因か?答えは当事者であるワタクシがよーく知っている
それは
…
……
………
面倒臭かった(殴)
もうひどいとしか言いようがない。夏休みのような長期休暇では毎日通ってキャンセル待ちをしてまでやるのが普通、サボっても週に2日は行くものだろう。しかしワタクシ、何を思ったか一月に一回しか行かなかった月もあったほどである
だとしても、だとしてもよ、面倒臭がりにも程があるだろ。もう少し危機感を持っていただきたい
まぁ、無事に免許は取れたので良しとしたいところだ
今は週に1、2回ほど休日にタイ○ズカーを利用して運転の練習をしている。ATの運転はまだ若干慣れないが運転しない期間を作るのは良くないと思ってな(どの口が)
自信がついたらドライブ旅行に行きたいもんだ
ではでは、本題です
取り返しのつかない事故
遂に暗室が機能する
新学期がいよいよスタート。それは我々写真部員にとって展示の機会が立て続けにやってくる時期
今年は商業施設での展示に加え、大学内で新装開店となったブックカフェとのタイアップもあり、その後に学祭につながるためなかなかに忙しかった。何より作品が同時期に複数必要になるのでそのための写真を撮るのは結構ハード。見てもらう以上手は抜けない
それと同時期にしれっと暗室の機能復旧が完了していた。暗室管理者であるワタクシの部屋である
ということは、モノクロに限ってだが撮影から現像まで自分の手でアナログでやった写真を、プリントも妥協してデジタル化からのプリントをすることなく、引き伸ばして印画紙への焼き付けを行う完全アナログでできるようになったのだ
この日が来るのを心待ちにしていた。これまではせっかく自家現像したフィルムをスキャナでスキャンして確認していたのだが、なんとも味気なかった
そろそろ引き伸ばしまでできるようになるというのがわかってから、ワタクシはよくSVにモノクロフィルムを詰めて出かけるようになった。ふたつ前の記事でSVを取り上げたのにはこんな背景があった
この時にたくさん写真を撮ったこともあり、後期が始まる前には未現像のフィルムが4本もあったのだ。写真の枚数にすると実に144枚。やり直しが効かないからとどのコマもかなり気合を入れてるのでこれが全て現像できるとまぁ作品にする写真には困らないだろう。現像自体は手慣れてきたし、パーにすることなんてそうそう無い
そんな若干の慢心を胸に現像に着手した自分をブン殴ってやりたい
そして悲劇は(起こるべくして)起こった
リール巻きの時点から決して調子がいいとは言えなかった。ベロ出しに何度も失敗し、やっとこさでリールに巻こうにも指の感覚的に綺麗に巻けていない気がして何度もやり直した
なんとかタンクに、リールに巻きつけたフィルム2本を収め、事前に分量を測って用意した現像液達を順番に入れて現像を行う
準備した液体を間違えていなければ現像は成功するはずである。ハズだった……
いつも通りやや固いタンクの蓋を強引に外し、水洗するために水洗バットにぶちまけたワタクシの目に飛び込んできたのは、
この写真は家に持ち帰って撮ったものになるのだが、コレがタンクから出てきた光景を思い出すだけでゾッとする。やらかした当時の写真がないのはあまりにも動揺してしまったからだ。
その時、文字通り言葉を失ってしまったのだ
無い。写真が無い。確かにそれぞれのフィルムに36コマずつ写真を撮ったハズなんだが
どうしてこうなってしまったのか。自家現像をする方ならわかるだろう
そう。ワタクシが現像液だと思っていたもの。それが定着液だったのだ。定着液はフィルム上の還元されていない銀を除去する効能を持つ
一発目に定着液を入れたのならば、銀が全く還元されていないのは当然のこと。フィルム上の銀たちはモチのロンで全て除去されてしまった
薬品の特性や現像の原理を理解していたにも関わらず、あろうことか現像をすると言っておきながら現像をすっ飛ばして
定着液→停止液→定着液
としてしまった
写っているはずの72枚の写真が消滅してしまった時の絶望感たるや、もう通り越してしまって面白くなってしまった
これの写真を撮って後輩に送りつけて笑い倒していた(反省しろ)のだが、この時無になってしまったうちの一本が現像の前日にウキウキで撮り終わったばかりのフィルムであったことを後に知り、ガックリ肩を落とすこととなったのであった
今回のこの事件。かなり初歩的なミスによりこうなってしまったのだが、コレは初心者でなくとも気を抜いていれば誰にでも起こりうることだと思う
とりわけフィルムの現像においてはオリジナルを作る作業であるため、失敗してしまうとそこに記録されていたはずの光は2度と帰ってこなくなる。コレを読んでくれている自家現像をしている方、これからしようと考えている方には、ぜひとも、気をつけていただきたい
慣れてきていても貯蔵瓶に書いていることは鵜呑みにせず(書いたのも入れたのもワタクシなんだが)、不安があればまずしっかり味見、ではなく匂いを嗅いで、フィルムの切れ端を入れて確認するなど確証を持ってから作業しよう
初心者であってもなくても作業するときは気を抜かず、指差しと声を出しての確認を徹底。忘れてはならない。特に俺
この事件以降、薬品管理を厳しくすることを徹底しようと心に決めたハシクレであった
それではこの話はこの辺で
ではでは、さようならー